インタビューの不思議

地域活性化関連のプロジェクトで某地方都市に取材に赴き、二日間にわたり7ケース、8名の方にインタビューを実施した。
市場調査会社勤務時以来の詰め込みスケジュール。へとへとになったのだが、ずいぶん楽しくお話をうかがうことができた。

で、その大量の録音を元に記事原稿を執筆するために、テープ起こし(録音デバイスはICレコーダなのですが、「レコード屋」同様、「テープ」起こしという表現もまだ健在ですね)をどうにか完遂。

取材先自身が積極的に情報発信をしていたり、これまでにもメディアに何度も取り上げられているため、インタビューはチェックリストも作らず、プロジェクトの裏側や現場の本音を掘り起こすためにフリートーク形式で行った。

このように事前にチェックリストも作らずにインタビューを行うのは初めてだったのだが、その意図は充分果たせたのではないかと思っている。フリートークになると、インタビュわー側もそれなりに話題を作って振っていかないと前に進まない。しかも裏話や本音を聞きだそうとすると、変化球もどんどん投げ込まなければならない。

そのため、録音を聞いているとやたら自分が話している声を沢山聞くこととなってしまい、なんだかなぁ、、と思わされること多数。

そのため、テープ起こしは全発言を事細かに書き起こすのではなく、重要な発言をピックアップするという形で行ったのだが、すべてのケースの起こしが終わったとき、不思議なことに気がついた。場が盛り上がり、様々な話を聞き出せたと思ったケースの書き起こし量よりも、なかなか話を聞きだすのに苦労し、時間も短めで沈黙も長かったという印象が大きかったケースの書き起こし量のほうが多くなってしまっていたのだ。

後者のインタビュイーは、結構早口で、回数や頻度自体は多くなかったものの、突然出てくる発言がものすごく理論整然と、しかも幅広いことについて語っていたことが、録音を聞き返して発覚。このインタビュイーの凄さを改めて感じさせられたのでした。

啓蒙の弁証法(2)I 啓蒙の概念 ミーティングレジュメ

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)

このエントリは、(8月に京都から遠隔で参加するはずだった)輪読会ミーティング用のレジュメです。第2回を前にして、とりあえずアップロード!!

◆序◆
このなかで実証主義が、ひたすら否定されているが、なぜなのか?


◆一◆

彼が志した人間悟性と諸事物の本性との幸福な結婚は家父長的である

いきなり出てきた「人間悟性」これ、なんだ??
「家父長的」っていうことは、支配者/被支配者関係があるということだが、自身について悟りをひらいた人間は諸事物=自然を支配する(出来る)ということなのか??

◆二◆

この区別(科学と芸術)が何のためらいもなく晏如として再び実体化されるとすれば、二つの孤立した原理のおのおのは、真理の破壊へと突き進んでいく。

科学と芸術の区別というのは“実体化される”までもなく、厳然として存在する。
だが、それが「実体化」するとはどういうことなのか。

普遍的諸概念が支配の徴しであることに変りはない。科学の演繹的な形式さえ、社会的階層秩序と強制的圧力とを反映している。

思考形式のこういった社会的性格は、デュルケームの教えるような社会的連帯の表現ではなくて

社会と支配との測りがたい統一の証拠である。

「統一の証拠」ってだから、何がデュルケームと違うのか?

◆三◆

論理学から思考を追放することは、

思考が追放された論理学というものを全く想像できません。

啓蒙の本質は二者択一であり、

啓蒙ってそんなシンプルな二元論なのでしょうか。

で、一例として出されている二者択一は

  • 自然の下へ従属する
  • 自己の下へ自然を従属させる

なのだけど、前者はアニミズムのことだよな。後者は理性のことか?

彼女たち(セイレーン)は、今過ぎ去ったばかりのことをじかに哀求することによって、時間一杯を生きるまでは誰にも引き返すことを許してくれない家父長制秩序を、約束の歌声でもって脅かす。普段の精神の現在によってのみ、自然を押し切って生き延びることが許されるところでは、彼女らの惑わしに乗せられる者は滅びる。セイレーンたちが過去の出来事の一切を知っているとすれば、彼女たちはその代価として未来を求める。よろこばしい帰郷の約束は、過ぎ去ったものが、憧れ寄る者たちを捉えるトリックなのだ。

何度も出てくる
反啓蒙=神話=家父長制
という構図、いったい何を指し示しているのか。

ここからは、深見の解読です。正しく捉えられているのか???

◆自然と自然支配
啓蒙された自然支配→退行→神話的自然

  • 「自然支配」と「自然」というのはどう違うのか
  • 「自然支配」=「自然的なものによる支配」?

◆神話と啓蒙の定義
神話=世界の呪術=アミニズム

家父長的=神話における神々の人間に対する支配

啓蒙=プラトンアリストテレス形而上学の遺産のうちに古い諸力を再認
=普遍概念の真理性の要求を迷信として指弾