インタビューの不思議

地域活性化関連のプロジェクトで某地方都市に取材に赴き、二日間にわたり7ケース、8名の方にインタビューを実施した。
市場調査会社勤務時以来の詰め込みスケジュール。へとへとになったのだが、ずいぶん楽しくお話をうかがうことができた。

で、その大量の録音を元に記事原稿を執筆するために、テープ起こし(録音デバイスはICレコーダなのですが、「レコード屋」同様、「テープ」起こしという表現もまだ健在ですね)をどうにか完遂。

取材先自身が積極的に情報発信をしていたり、これまでにもメディアに何度も取り上げられているため、インタビューはチェックリストも作らず、プロジェクトの裏側や現場の本音を掘り起こすためにフリートーク形式で行った。

このように事前にチェックリストも作らずにインタビューを行うのは初めてだったのだが、その意図は充分果たせたのではないかと思っている。フリートークになると、インタビュわー側もそれなりに話題を作って振っていかないと前に進まない。しかも裏話や本音を聞きだそうとすると、変化球もどんどん投げ込まなければならない。

そのため、録音を聞いているとやたら自分が話している声を沢山聞くこととなってしまい、なんだかなぁ、、と思わされること多数。

そのため、テープ起こしは全発言を事細かに書き起こすのではなく、重要な発言をピックアップするという形で行ったのだが、すべてのケースの起こしが終わったとき、不思議なことに気がついた。場が盛り上がり、様々な話を聞き出せたと思ったケースの書き起こし量よりも、なかなか話を聞きだすのに苦労し、時間も短めで沈黙も長かったという印象が大きかったケースの書き起こし量のほうが多くなってしまっていたのだ。

後者のインタビュイーは、結構早口で、回数や頻度自体は多くなかったものの、突然出てくる発言がものすごく理論整然と、しかも幅広いことについて語っていたことが、録音を聞き返して発覚。このインタビュイーの凄さを改めて感じさせられたのでした。