Web情報アーキテクチャ(3)正確な組織体系

Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチ

Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチ

正確な情報の組織体系では、情報を細かく定義された排他的なセクションに分けます。電話帳におけるアルファベット順がよい例です。探している相手の姓が分かれば、この体系でのナビゲーションは簡単です。PorterはOとQの間のPのセクションに掲載されています。これは"既知項目検索"と呼ばれます。探しているものが分かっており、どこを探せばよいかも知っているからです。ここにはあいまいさはありません。正確な組織体系では、ユーザーは探しているリソースの正確な名称が分かっていなければなりません。例えば「配管工を探している」というだけでは、このようなアルファベット順になっている電話帳は役に立たないのです。
正確な組織体形の設計と保守は比較的簡単です。項目をカテゴリに分類する作業をほとんど自動的に行えるからです。そして使用するのも簡単です。
〜P57 5.3.1

細かく定義された排他的なセクションの具体例として、

  • アルファベット順
  • 時系列

が挙げられている。

情報・概念整理の基本として、MECE:Mutually Exclusive Collectively Exhaustive(参照:wikipedia(jp))というルールがある。フォークソノミーの場合、同義語は散乱するわ、抜けはそこらじゅうにあるわ、、、、どう考えても細かく定義された排他的なセクション、とは言いがたいですね。

一方「あいまいな組織体系」というものも実際活用されていたりします。図書館における「デューイ十進分類法」「アメリカ議会図書館分類システム」などはその典型。なんてことを聞くとフォークソノミー応援団としてはほっとするのですが。具体例としては、

  • トピック
  • タスク

といったものがあります。

タスクに関しては以下のような説明もされています。

タスク指向の情報の組織体系では、コンテンツとアプリケーションは、プロセス、機能、またはタスクの集合にまとめられます。この体系は、ユーザーが実行しようとしている優先度の高いタスクが少数しかない状態には適しています。ワードプロセッサスプレッドシートなどのデスクトップソフトウェアアプリケーションが一般的な例です。Edit(編集)、Insert(挿入)、Format(フォーマット)などの操作は、タスク指向のメニューの下にまとめられます。

トピックやタスクなんてSBMのタグではおなじみな要素。「あとでよむ」なんていうのは典型的なタスクですよね。

タスクといっても人間が読み取って活用するのではなく、ウェブサービス、特にAPIを活用した複数サービス間の連携などのために使うためには、タスク連携のためのクリティカルな情報伝達が求められます。つまり、厳密なオントロジ共有が必要なわけで、これはそのままセマンティックウェブにつながります。今、フォークソノミーSBMなどで使われていますが、アプリケーションがSaaS化している今、タスク指向の組織体系を指向するソーシャルタギングフォークソノミー→ソーシャルオントロジの創生が追及されることがあるのだろうか?