The Organization of Information(1)公的分類と営利分類?

ちょっと寄り道して、

The Organization of Information (Library Science Text Series)

The Organization of Information (Library Science Text Series)

の解読メモを挟みます。
とりあえず、Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチの続きは
こちらからチェックしてください。

oraganization of information also allows us to keep usable records of human endeavors for posterity. Libraries, archives, museums, and other types of institutions have been doing this for many years. (This book does not deal with organization in commercial enterprises that have put together collections for the purpose of sale, rather than collecting for posterity.)

この本では、営利目的というよりは"for sale"だからマーケティングの観点からの分類は含まないということになっています。
確かに、自分が携わってきたマーケティングの現場で耐用性のある体系だった分類なぞ必要とされたことはなく、その場その場のポジショニング分析しか行わなかったです。

もっというならば、同一産業の中でも企業によって市場セグメントの分類方法・表現は異なりますし、同一企業内でも部門によって異なるなんてことはざらにあります。

とはいえ、フォークソノミーというのは(タグ付け行動の動機研究が成果を上げるまでは留保つきですが、)個人が事後にアノテーションした対象を効率的に探し出すためにつけるものであったり、コミュニティに属する他者にとってナビゲーションとなるためのラベリングであったりするわけですから、"for posterity(子孫)"とまでは言わないにせよ、少なくとも耐用性のある分類を指向しているといえるのではないでしょうか。

しかも、ウェブ上で集団で分類をしていくためには共通して用いることのできる対象物のインデックス・データベースが必要となってきます。それはamazonの商品リスト:ASINであったり、ぐるなびの店舗データベースであったり、ePlusのチケット情報であったりするわけで、それはあくまでも"purpose of sale"として構築・運用されているものです。

というわけで、営利・非営利の区別は現状を鑑みるともはや崩れてきていると考えるべきでしょう。これが私の研究における基本スタンスとなります。