サイモンの「システムの科学」(1)情報探索に関する研究をする上で

ここからは少しだけ

システムの科学

システムの科学

  • 作者: ハーバート・A.サイモン,稲葉元吉,吉原英樹
  • 出版社/メーカー: パーソナルメディア
  • 発売日: 1999/06/12
  • メディア: 単行本
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について読み解く。

フォークソノミーというよりも、SBMなどデータベースに対するアノテーションに関する研究をしていると、アノテーションという行動やメタデータの活用は基本的には情報探索に対する補助であり、「情報探索」という行為そのものについて考察せざるを得なくなることに気づくであろう。そして情報探索とくれば、ハーバート・サイモンの著作を避けて通るわけにはいくまい。

ろくに学部時代に学問に精を出さなかった私だが、大学院に入って、もっとも感銘を受けた大家がサイモンだったりします。経営行動―経営組織における意思決定プロセスの研究がなぜ絶版になっているのか?と、昨今の出版事情に対する憤りもここで吐露してしまうわけですが、

ともあれ、ここでフォークソノミーについて考えるためにシステムの科学を読み解いてみたいと思います。

フォークソノミーに関連する箇所をピックアップして論じる前に、この著作のなかで特に心にとめておきたい箇所を少し。

P38 計算能力としての知能

本書のこれからの三つの章の基本にある仮説は、知能とは記号システムの働きに他ならないという仮説である。この仮説をもうすこしきっちりしたかたちにのべるとつぎのとおりである。すなわち、私がいま、前述したような種類の物理的な記号システム(数学、論理学など)は、一般的な知能活動のための必要にして十分な手段を有しているという仮説である。

記号と一口で言っても○、▲のような狭義のものもあれば、数式を含むものもあり、そもそも日本語はひらがな・カタカナ・漢字という記号で構成されている=つまり全ての言語は記号から構成されているということも事実。
しかし、ここではSBMのタグは普通の自由言語・文章よりはコンパクトに記号化されていると言ってしまっていいのでは、と。(論文では言えないな。ブログでの考察ゲームだからいえるんだな、、、、)