世の中,年度が改まってしばらく経ちます.

で,年度が替わると,,,,
私のような,年契約の訪問研究員は,お世話になっている各所と契約更新を行わなければなりません.
で,そのうちの1つ,私に図書館の利用権を与えてくれている研究所の所在地はあまりに遠く,なかなか新しいIDカードの受け取りができない,,,,つまり図書館から本を借り出せないわけです.

だからといって,読む本が尽きた,,,というわけではなく.
この際だから,積読(この表現を始めて見たのは来年休館になる広告批評からでた広告大入門だったか.)していた本を片っ端から読むことにしたわけです.
で,このエントリはその棚卸し.ずいぶん本棚に突っ込んでおいてそのままにした本もありますが,それは研究に関係する本をひっきりなしに図書館から借りてきていたからで,,逆に図書館に感謝しなきゃいけません.自分の研究もかなり図書館研究学の恩恵を受けていることですし.

なお,このタイミングでわざわざ読む=普段の研究とはあまり関係がない,もしくは関係が薄い内容のものばかりなので,単なる記録とでも思っていただければ.

1冊目

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

この本は,「むずかしいことを平易に書かなければいけない」という仕事をやっているときに,表現の参考となるものを探して買い求めた本.経済というか,会計の基本がやさしく,しかも思考スタイルに影響を与えてくれるように書いてくれているのがよい.新書レベルでは,なかなかここまでは踏み込みづらい.版元も集英社や光文社じゃなくてダイヤモンド社ですから.
あと秀逸な点は,最後に触れられている乳幼児・児童の医療費無料政策に関する分析.知り合いに医師がいて,現場の状況を知っている身としては,ものすごく納得.この部分だけでも必読かも.

2冊目

新・戦争論―積極的平和主義への提言 (新潮新書)

新・戦争論―積極的平和主義への提言 (新潮新書)

私の学部時代の専攻は国際政治学/安全保障(核戦略とか,対中戦略とか)だったのですが,その学部(学科)に所属しておられた先生の出された近著.いわば復習のために読んだわけです.私の所属していたところは,けっこう日本の中では風変わりというか,あまり世間一般におもねっていないところなので,それなりに刺激的な内容と思われる方も多いかもしれませんね.このブログでは政治的な話題は基本しませんが(ここは研究ノートブログですから.ただし,私が政治学の研究にシフトしたら,このブログは政治一色のブログとなることでしょう),このラインナップから勘のいい人は私の信条を推し量れるかもしれませんね.こわいこわい.

3冊目

信頼の構造: こころと社会の進化ゲームの著者,山岸先生の近著.最近ではテレビで爆笑問題と話していたりと露出も増えましたね,,,掲載されているデータや基本的な考え方は信頼の構造: こころと社会の進化ゲームに載っているのとほぼ同じなのですが,現実社会へ当てはめてみると,,,なんて冴え渡る分析.ちなみに,帯に書かれているコピーの内容はかなり釣りですね.とにかく,本文をちゃんと読んでいただきたい.

4冊目

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

これ,買ったのはもう3年位前なのではなかろうか,,,確か買い求めたのは日本橋三越本店の向かいにある本屋さん.アップルの歴史関連の本はいろいろあるけれど,この本は確かに面白い.ジョブスが訴えたというのも良くわかる内容.でも,そんなジョブスだからみんな好きなんですよ.少なくとも直接接していたりしない分には,,
あと,ジョブス自身はプログラマじゃない,というところが個人的には共感がもてたりして,,,

5冊目

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

これを買ったのもずいぶん前.すでに増補改訂版がでてるけど,いまごろ初版です.ま,あまりに有名なのでコメントの必要ないでしょ.インセンティブ設計,選択の自由,,,,,とそれらを実現するための制度・アーキテクチャ設計というのは,いま関わっている全ての研究室のテーマだったりするわけで,,,,

6冊目

ネットが変える消費者行動―クチコミの影響力の実証分析

ネットが変える消費者行動―クチコミの影響力の実証分析

これは最新刊.著者二人は社会学の立場からのネットコミュニティ分析では第一人者.データギャザリングは私の前職の会社が行っていて,,,,と私にとっては必然的に読まなきゃいけない本.それにしても,,,やっぱりマーケティングってどんどん難しくなっている気がするなぁ,,理屈じゃなくて,消費者の情報摂取・処理プロセスが変わったおかげで,有効な手段をひねり出すのがどんどん大変になっているという意味で.しかも,その作業がどんどんつまらないものとなってきている気がするのは気のせいか?私がそう考える理由は,,,この本の分析をぜひご覧ください.

7冊目

哲学個人授業-<殺し文句>から入る哲学入門 (木星叢書)

哲学個人授業-<殺し文句>から入る哲学入門 (木星叢書)

説明不要の鷲田先生と,書籍流通を調べ始めたら絶対にぶち当たる気鋭のライター永江朗氏が哲学をテーマに対談.しかも,その舞台がミーツ・リージョナルなんて,読まないわけにはいかないじゃないですか.にしても,どうしてミーツってこんな楽しい企画をどんどんやってしまえるのだろう.大阪に関しては,最近暗い話しか聞かないし,その原因もかなり深いところにあるのだけれど,こんな本が出てくるというのは,かすかな希望かも.え,ミーツを出している版元(京阪神エルマガジン社)は神戸新聞の子会社だから大阪の希望というのもどうよ,という突っ込みはやめてくださいね.